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金融部門

1.  銀行

「銀行業及び金融業法(Law on Banking and Financial Institutions)」が1999年に制定され、金融手段の改善、金融機関の基盤強化、投資家に対する事業融資機会の増大等が図られている。現状では、同法第16.3条により銀行の最低資本金は1,250万ドル(500億リエル)と定められており、その内5%をカンボジア国立銀行に保証金として預け入れることが義務付けられているが、2008年9月19日付け経済財務省令No.7.08-193「銀行ライセンス許可に対する新規資本条件と分類(“Prakas #7.08-193 (NBC) on New Capital Requirement and Criteria for Licensing Approval of Banks”)」により、銀行の最低資本金に関する条件は次のように改正されている(同省令第7条・第8条)。

1)   国内で会社として設立された商業銀行で、信頼できる評価機構により「投資適格」と格付けされている一つの銀行または金融機関を株主として有する場合:500億リエル (約1,250万ドル)

2)   個人または会社を株主とする商業銀行の場合:1,500億リエル(約3,750万ドル)

3)   国内で会社として設立された専門銀行で、信頼できる評価機構により「投資適格」と格付けされている一つの銀行または金融機関を株主として有する場合:100億リエル(約250万ドル)

4)   個人または会社を株主とする専門銀行の場合:300億リエル(約750万ドル)

 

同省令は、同省令が発出される前に銀行ライセンスを得た銀行は2010年末までに上記最低資本金への増資を行うことを規定している。

 

銀行とその他金融機関は、単一の融資先に対する融資率を銀行資産の20%以下に保つ必要がある(国立銀行令No.7.06-226「銀行・金融機関の大口融資規制」:Prakas # 7.06-226.NBC on Controlling Risk of Banking and Financial Institutions’ Large Exposures)。

 

現在カンボジアには、24行の外国銀行の支店を含む商業銀行、6つの専門銀行、18のマイクロ・ファイナンス機関及び60のマイクロファイナンスNGOが存在しており、資金の国際的移動、信用状の発行、外国為替サービス等が行なわれているが、不動産担保の提供を伴わない借入は難しく、カンボジア国外に比して、借入期間は一般に短期で、かつ借入利率は高率である。

 

2.  金融リース

金融リースに関する法制度

2009年6月20日に「金融リース法(Law on Financial Lease)」が施行されたが、同法の目的は金融リースに係る当事者全ての権利と義務を定め、それら権利を擁護するための方策を規定することにある(同法第1条)。この法律はカンボジアにおける動産の金融リースにのみ適用される(同法第3条)。

 

金融リース契約

金融リース契約は貸手と借手による書面の契約でなければならない。また通知期間及び全ての当事者に対しリースされる動産に係る条件を定めるものである。金融リース契約は法により求められる場合を除き、認証を受ける必要はない(同法第5条)。

金融リース契約には次の事項が含まれていなければならない(同法第6条)。

1)     リースされる動産の明細

2)     リース料の額、支払期日、期間

3)     金融リースの始期

4)     貸手と借手の署名

 

金融リース契約では保証金、リース料の先払いまたはその両方を規定することができる。保証金の取扱いについての規程がない時には、借手が定められた期間内にリース契約に基づく義務を履行した場合においては、利子を付すことなく、保証金を借手に返還しなければならない。リース料の先払いについては利子を付すことは出来ない。また保証金と前払いリース料の額は当事者間で自由に設定できる(同法第7条)。

 

リース契約において、動産が貸手に所属するものである旨表したラベルを当該動産に貼付するよう定めている場合には、貸手または貸手の代理人以外の者がラベルを隠ぺい、又は見えなくするような行為を行うことは出来ない(同法8条)。

 

リース契約においては、借手は少なくとも1年間当該動産を使用しなければならない。契約の終期にあたっては、もし希望すれば借手は当該動産を購入することができる。貸手は動産の使用という手段を通じて金融を付与するものとし、当該動産の所有者になることにより金融を供与するものではない(同法第9条)。

 

貸手の権利と義務

金融リース期間中及び契約終了後において、借手または他の第3者に所有権を譲渡しない限り、リース物件の所有権は貸手が有する(同法第10条)。

 

貸手は輸入税や法に定められたその他の税の支払い義務を有する。また金融リース契約に定める場合を除き、リース物件の登録義務を負う(同法第11条)。

 

貸手は、リース物件の金融リース契約全期間中において、借手が契約に定めれらた義務を果たす限り、如何なる妨害も受けずに当該リース物件を使用できることを保証しなければならない(同法第13条)。

 

貸手は第3者が当該リース物件に加えた損壊に対する支払義務を負わない(同法第14条)。また貸手は借手に対し、借手の使用期間中における物件に対する損傷または損失に関する補償を借手に要求する権利を有する(同法第18条)。

 

借手はリース物件に対する所有権を有しない。借手は破産し破産手続きに入った場合、貸手は当該リース物件を押収し、裁判所における弁済手続きにおいて支払いを求める権利を有する(同法第20条)。

 

借手の権利と義務

リース物件が供給契約に従い期限内に搬入された場合、借手はこれを受け入れる義務を負う。借手の事前の承諾なく、リース物件が未搬入の場合や、搬入に遅れた場合、供給契約を順守していない場合においては、受領時または受領前において、借手はリース物件を拒否し、供給者に対し欠陥を即刻回復するよう要求し、またはリース契約を解消する権利を有する(但し受領後においては不可)。然しながら、借手は貸手の同意なく供給契約を終了したり、無効にしたり変更する権利は有しない。貸手は、供給契約に従いリース物件を引き渡し得なかった状況を回復できる権利を有する(但し義務は負わない)(同法第23条)。

借手は、リース物件受け入れ後においては、金融リース契約に従い支払いをなすことを要す(同法第25条)。

 

借手はリース時において有効な規則、方法、規定に従いリース物件を使用する義務を負う。また借手はリース物件が使用可能であり続けられるよう、リース物件を適正に維持管理しなければならない(同法第26条)。

 

金融リース契約終了時において、借手が当該リース物件を購入せず、またリース契約を延長しない場合には、通常の損耗を除き、当該リース物件を元の状態で返却しなければならない(同法第27条)。

 

借手はリース物件を抵当に入れたり、担保にしたり、先取特権を設定したり、その他いかなる負債も設定してはならない。借手は、事前の書面による貸手の同意なく、リース物件の使用権、または金融リース契約に定められたその他の権利を再リースしたり、変更したり譲渡することはできない。また貸手の事前の書面による承諾を得ることなく、借手は第3者によるそれら権利の取得を許してはならない。本義務に違反する行為は全て無効である(同法第31条)。

 

リース会社の管理機関はカンボジア国立銀行である(同法第33条)。カンボジア国立銀行から銀行ライセンスを得た銀行またはその他の金融機関は金融リース行為を行うことができる。本法律の条項に従い設立され、カンボジア国立銀行からライセンスを得た金融リース会社も同様に金融リース業務を営むことができる。金融リース会社は金融リース行為を除き、銀行業務を営むことはできない(同法第34条)。

 

3.  証券市場

カンボジア証券取引所は、2010年2月23日にカンボジア経済財務省が55%を、韓国証券取引所が45%を保有する合弁会社として設立され、2011年7月11日にはカンボジア証券取引委員会から証券市場の運営、交換・清算手段、株式保管業務に関する認可を取得した。

2011年12月現在では上場している企業はないが、報道によれば、テレコム・カンボジア、シハヌ-クビル港公社、プノンペン水道公社の3つの国有企業が新規公開の準備中であり、またプノンペン港公社も上場の可能性を検討中である。実際の取引は2012年前半にも開始される見通しである。

カンボジア政府は2010年にもカンボジア証券取引所(Cambodia Stock Exchange:CSX)を設立すべく準備を進めている。経済財務省から国営3社(テレコム・カンボジア、シハヌークビル港湾公社、プノンペン水道供給公社)に対し、カンボジア証券取引所の部分開所時に株式を上場する準備を進めるよう指示があったと言われている。

証券市場に関する法制度

「非政府債券発行・取引取引法(Law on the Issuance and Trading of Non-Government Securities)」が2007年10月19日に施行されたが、同法は、証券の取引・交換・清算方式、証券保管業者及び証券を発行する公開有限責任会社または登録法人を含む証券取引業者や金融サービス会社等の証券市場関係者について規定している(同法第1条)。

 

この法律の目的は次の通りである(同法第2条)。

1)   一般投資家の法的権利を擁護し、証券の募集、発行、購入、販売が公平かつ秩序立って行われるよう保証することにより、カンボジアの一般投資家の信認を発展・維持すること

2)   カンボジア証券市場の有効な規制と、効率の向上と、証券市場の秩序ある発展を促進すること

3)   証券やその他の金融商品の購入を通じて多様な貯蓄手段の動員を奨励すること

4)   カンボジア証券市場への外国の投資と参加を奨励すること

5)   現在カンボジア政府により保有・運営されている商業会社の民営化の進展を支援すること

 

この法律はカンボジアの非政府債券の取引に適用される(同法第3条)。

 

カンボジア証券取引委員会

カンボジア証券取引委員会(Securities and Exchange Commission of Cambodia:SECC)がこの法律の下に設立され、構成員は委員長及び8名の委員で、その任期は5年である(同法第5条)。

 

SECCの委員は次の通りである(同法第6条)。

1)   経済財務省代表:1名

2)   カンボジア国立銀行代表:1名

3)   商業省代表:1名

4)   法務省代表:1名

5)   閣僚評議会代表:1名

6)   SECC代表者:1名

7)   証券業専門家:2名

 

SECCは次の機能を有する(同法第7条)。

1)   政府債券及び非政府債券市場の管理と監督

2)   証券市場に係る政策の執行

3)   証券市場、売出や清算手段、証券保管業務運営者に対する許可許諾条件の作成(Formmulae)

4)   本法律に定める必要条件遵守の促進と奨励

5)   市場参加者や投資家の利益に影響を及ぼす、ライセンスを有する法人の判断に対する苦情の検証と解決を図る機関としての役割を果たすこと

6)   カンボジアの証券市場の発展のための政策策定に関し、専門家と打ち合わせること

 

SECCの職員は司法警官としての権限を有し、司法警官の役割と機能に関する刑事手続き規程に記載された権限を与えられる(同法第10条)。

 

株式の募集と発行

法とSECCの規程に基づきSECCの許可を受けない限り、何人といえども新規株式の発行や一般公募を行うことはできない(同法第12条)。SECCの長官は、本法第12条に基づき提出される株式発行や公募申込の全ての審査を行い、申し込みの日から3ヶ月以内に、当該株式発行や公募がカンボジアの一般大衆の利益に資するものであるかどうかにつき通知する(同法第13条)。SECCが許可した場合においては、申込人は申込書に従い証券公募の実施を進めることができる(同法第15条)。

 

以下の場合を除き、カンボジアにおいて株式の公募をすることはできない。

1)   公募対象株式は、カンボジアで登録された公開有限責任会社または現行の法令に従い規定されている許可された主体により発行されるか、発行されたものであること

2)   募集が、本法律に関する政令に定められる免除募集(exempt offer)である場合を除き、本法律が必要とする条件または本法の定めに従い規定される他の条件を遵守する募集に関する、募集条件や開示書類は、事前にSECC長官により許可されなければならない。また開示種類についてはSECCに登録される必要がある(同法第16条)。

 

開示書類の発行者または当該補助的開示書類が関係する株式の発行者が、下記のような事態を認識した場合においては、開示書類が有効である間は、開示書類の発行者または当該開示書類が関係する株式の発行者はSECCに補助的または代わりの開示書類を提出し、許可を受け登録しなければならない(同法第20条)。

・   提出済開示書類に含まれる事実に大きな影響を与える変更が生じた場合

・   本法律が求める重大な新しい事実が生じた場合

・   開示書類が虚偽または誤解を招く重大な表現を含む場合

・   開示書類に重大な遺漏がある場合

 

証券市場の管理

本法律または他の有効な法律に従いSECC委員長の許可を受けない限り、何人といえども証券市場(証券交換を含む)、売出と清算手段、株式保管を営むことはできない(同法第23条)。

 

上記業務を営む許可申請は次のように進められる(同法第24条)。

1)   証券市場、売出・清算手段、株式保管業務を営むことを希望する者は、規定の書式によりSECCに申請書を提出し、規定の手数料を支払わなければならない

2)   SECC長官は申請書の提出があった後、出来るだけ早期に委員長を含むSECC全構成委員に助言を付けて当該申請書を配布する

3)   SECC長官は申請者に対し必要と考える追加的情報の提出を求めることがあり、追加的情報の提出があるまで申請審査を拒否することができる

 

SECC長官が申請者に対し証券市場運営の許可を出す前に、申請者が提案する証券市場が証券市場で行われる取引に対する適正な清算手段を提供し得ることに関し、SECCを満足させる必要がある(同法第26条)。

 

何人といえども、SECCの許可を得ない限り、証券市場(証券交換を含む)、売出と清算手段、株式保管についての運営規則と手続きを実施に移すことはできない。それら運用規則と手続きは本法律に従い規定される事項を適正に処理するものでなければならない(同法第28条)。

 

証券会社ライセンス

政令に規定された免除証券ディーラー(exempt securities dealer)や免除証券取引(exempt securities transaction)を除き、SECC長官からライセンスを受けない限り、何人といえども証券ビジネスを営み、または自身を証券会社の形態で証券取引を営むものであることを称することはできない。個人であってもSECC長官から証券会社の代理人ライセンスを受けない限り、何人といえどもライセンスを受けた証券会社の代理人として行動したり、代理人である旨名乗ることはできない(同法第31条)。

ライセンス申請の手順は以下の通りである(同法第32条)。

  1.  何人も、規定書式によりSECC長官あて申請書を提出し、SECCが定める手数料を支払って、証券ビジネスを営んだり、証券代理人として活動するためのライセンスを申請できる。
  2. SECC長官は申請者に対し必要と考える追加的情報の提出を求めることがあり、追加的情報の提出があるまで申請審査を拒否することができる。

投資顧問、証券ディーラーやその他証券市場参加者、売出と清算手段機関や株式保管機関に対するライセンス条件の設定とライセンスの供与はSECCが行う(同法第35条)。

 

企業管理と重要事項の統制

カンボジアにおいて一般人に株式を発行ないしは売却した公開有限責任会社または許可済み主体(permitted entity)は、証券市場の管理利益及び投資家である一般人保護のために、SECCが定める公開有限責任会社の企業管理に関する現行法令と、如何なる必要条件も厳格に守ることを求められる(同法第38条)。

 

下記事項を管理するために、SECCは企業統制条件を定めることがある。

・ 一般人に議決権付き株式を発行した公開有限責任会社または許可済み主体の議決権付き株式に対する統制権の入手。そうした議決権付き株式に対する統制権の入手は公正かつ情報公開をともなう方法で行われなければならない。

・   一般人に議決権付き株式を発行した公開有限責任会社または許可済み主体の議決権付き株式の多数株主の開示。定められた条件では、公開有限責任会社または許可済み主体の議決権付き株式の所有者は、そうした大株主の身元を知る権利を有する、としている(同法第39条)。

 

株式に関する禁止行為

インサイダー取引、不法取引と市場操作、虚偽説明と誤解を招く説明については、各々第40条、第41条及び第42条の規程により禁止されている。

証券セクターに対する優遇税制

「証券セクターに対する優遇税制に関する政令70号(Sub-Decree No. 70 ANKR BK on Tax Incentive in Securities Sector)」が2011年4月22日に発出され、2009年12月16日付け予算法第12条に記載された証券セクターに関する優遇税制の対象となる者、業務、その他の条件が以下の通り定められた。

この政令はカンボジア国内において次の者に適用される(第3条)。

  1. カンボジア証券委員会から承認をうけ、認可された証券市場で株式や社債を発行する企業。
  2. 認可された証券市場で国債・株式・社債を保有するか売買を行う投資家。投資家には居住者と非居住者を含む。

カンボジア証券委員会から承認を受け証券・社債を発行し、認可市場に上場する会社が、3年間にわたり法人所得税の10%軽減措置を受けることを希望する場合には、定められた書式に記載し、カンボジア証券委員会を通じて税務総局に提出しなければならない(第4条)。

証券市場開設から3年以内に、国債・株式・社債の保有・売買による利息・配当を

得た投資家は、それらに掛かる源泉徴収税が50%軽減される(第5条)。

投資法例に定める適格投資プロジェクト企業で法人税免除期間にある会社は、第4条に定める法人税の軽減措置を受けることは出来ない(第6条)

 

証券市場の運営規則

カンボジア証券取引所における証券市場運営規則の適用を定める「証券市場の運営規則適用に関する省令006/11号(PRAKAS #006/11 SECC PrK on the Implementation of the Operating Rules of Securities Market)」が2011年5月3日に発出された。規則の詳細は同省令の付属文書(Annex)に記載されているが、主な項目は次の通りである。

株式の取引は運営規則に従いカンボジア証券取引所で行うこと。また取引はカンボジア証券取引所を通じて行われなければならない(第3条)。

取引の注文は、カンボジア証券取引所の売買システムにより受領された時から。同じ日の取引時間内において注文が実行される時まで有効である(第4条)。

取引時間は午前8時から11時半までとし、この間午前9時と11時半に取引を行うこととする(第6条)。取引日は、公休日を除き、月曜日から金曜日とする(第7条)。

注文単位は1株とし、呼値の単位は次の通りとする(第10条)。

a)         1株5万リエル未満で発行される株式:50リエル

b)        1株5万リエル以上、50万リエル未満で発行される株式:250リエル

c)        1株50万リエル以上で発行される株式:500リエル

株式の最低取引単位は1株とする(第10条)。

1日の値幅制限は基本価格の5%以内とするが、基本価格が1,000リエル未満の場合には値幅制限を50リエルとする(第12条)。基本価格の決定方法は第11条に規定されている。

上場直後の株式の取引のための基本価格はカンボジア証券委員会に登録された公開種類において決められた価格(公開価格)の90%~150%の間とする(第16条)。

この規則に従い提供されるサービスに対し、証券取引を行う者は取引手数料を支払わなければならない。手数料の計算方式、支払義務者、支払時期は以下の通りである(第24条)。

a)       手数料率:取引金額の0.25%(小数点以下1桁で切り捨て)

b)      支払義務者:カンボジア証券取引所のメンバーである証券会社

c)       支払時期:清算日の午前8時半

 

上場規則

「上場基準の適用に関する省令004/11号(“Prakas #004/11 SECC PrK on the Implementation of Listing Rules)」が2011年5月3日に発出され、その付属文書(Annex)では、カンボジア証券取引所に株式を上場するために必要な事項を次のように規定している(第1条)。

上場申請に添付されるべき財務諸表は「企業会計・監査・監査職務法」に基づき作成し監査を受けなければならない(第3条)。

上場適格性に関する審査を申請する者は以下の書類をカンボジア証券取引所に提出しなければならない(第6条)。

1)  一般情報

a. クメール語とアルファベットによる会社名
b. 会社住所
c. 設立日
d. 業務目的
e. 商業登録証明
f. 関連省庁のビジネス・ライセンス

2)  会社の代表者に関する情報:代表者の身元証明

3)  株主に関する情報:株主の身元証明

4)  量的情報

a. 申請日における株主の持ち株数
b. 過去3年間の純利益
c. 過去3年間の監査済財務諸表
d. カンボジア証券取引所に上場し取引される株式の種類

カンボジア証券取引所への上場が適正であるとの通知を受けた者は、株式が引受人に分配された後7営業日以内に、公式上場のための手続をカンボジア証券取引所で行わなければならない(第8条)。

適格性を認められた上場申請者は、カンボジア証券委員会が別途定める場合を除き、以下の量的要件を充たすことにより、カンボジア証券取引所に公式に上場される(第12条)。

1)  議決権のある株式を1%未満保有する株主の数:公式上場手続を完了する日において少なくとも200名

2)  議決権のある株式を1%未満保有する株主により保有される株式数:20万株または全株式数の15%超

適格性を認められた上場申請者は、カンボジア証券委員会が別途定める場合を除き、以下の非量的要件を充たすことにより、カンボジア証券取引所に公式に上場される(第13条)

1) 最大株主の株式所有権が公式上場日以前の1年間変更されていないこと

2) 発行株式の全量がカンボジア証券委員会が認可する証券保管業者に与託されていること

初上場を申請する者は、投票権をコントロールし得る株主は、株式公開の日から少なくとも1年間は所有株式を売却したり譲渡したりしないこと、また全株式の少なくとも15%を所有する株主は、少なくとも6カ月間株式を売却したり譲渡したりしないことを約した協定書を添付しなければならない。

 

4.  保険

保険に関する法制度

保険の管理、保険加入者の正当な権利の保護、保険業に対する管理と統制の強化、保険産業発展への寄与を目指して「保険法(Law on Insurance)」が2000年6月20日に成立している(同法第1条)。カンボジアにおいては、保険会社、保険代理店及び保険ブローカーのみが保険業を営むことができる(同法第4条)。

 

保険契約

保険契約は保険者と被保険者の権利・義務を列挙した協定(同法第9条)であり、各当事者は勧告書または通知状による事前通知により、保険期間中であっても保険契約を解除する権利を有する(同法第11条)。

 

保険証券または仮契約書のみが保険会社を被保険者間の責務を特定し得る。保険申込のみでは各当事者の保険補償には有効とはならない。留保中の保険契約の更新、変更、再付保の申し込みは、保険会社が15日以内に当該申し込みを拒否しない限り承認されたものとみなされる(同法第14条)。

 

保険契約が締結されたのち、被保険者は合意した通り保険料を支払わなければならない。保険証券に記載された通り被保険者が保険料を支払った日から保険補償は有効となる(同法第17条)。期限内保険料を支払わない場合、保険契約署名の日から30日を超えて保険補償の有効性は留保されることはない。保険会社は書留郵便または被保険者ないしは保険料を支払う義務を有する者が正式に承認した郵便により、保険契約が締結された日から20日間以内に、合意した場所で保険料を支払うよう通知を出さなければならない。当該通知がなされたのち10日以内に被保険者が依然として保険料を支払わない場合、保険会社は保険契約を取り消す権利を有する(同法第18条)。

 

責任保険においては、被保険者が第3者に対し損失や損害を与えた場合、保険会社は直接被害者に補償を行うものとする(同法第23条)。再保険では、主保険会社が被保険者に対する責務を負う(同法第24条)。

 

財産保険

財産保険はリスクが生じた際に補償を行う契約である。保険会社から被保険者へ支払われる損害補償額は保険契約で申告された保険対象物の価値を超えることはない(同法第26条)。保険証券に記載されていないリスクにより保険対象物が全損状態になった場合には、保険は法的に終了し、保険会社は残存期間に対する保険料の90%を被保険者に払い戻さなければならない(同法第27条)。

 

生命保険と個人事故保険

個人保険の場合、保険証券に記載された保険額が保険契約で支払われる補償限度額となる。個人保険には生命保険、健康保険、傷害保険が含まれる(同法第29条)。

 

強制保険

道路上で商用目的のために自動車を所有し使用する個人または法人は、トレーラーを含む自動車の使用により生じる財産毀損や第3者に対する損害を補償するために、第3者責任保険契約を保険会社から購入しなければならない(同法第36条)。

 

建築業者として事業を営む個人または法人も責任保険に加入する必要がある。プロジェクト開始時において、すでに保険会社から責任保険を購入していることを証明しなければならない。こうした強制保険の対象となる建築プロジェクトの種類は政令により定められる(同法第40条)。

 

種々の交通手段を使用して旅客運送にあたる個人または法人は、道路、海上、河川、空路、鉄道により運送される旅客を対象とする責任保険に加入しなければならない(同法第42条)。

 

保険会社

全ての保険会社は商業登記を行う必要があり、経済財務省の管理・管轄下におかれる(同法第43条)。また全ての保険会社は、国有、民営またはそれらの混合形態の如何に拘わらず、公開有限責任会社の形態でのみカンボジア国内で保険業を営むことができる(同法第45条)。

 

ライセンスの受領・入手前において、申請者は次の条件を満たしていることを証明する種類を提出しなければならない(同法第48条)。

1)  登録資本金の10%相当の保証金を積んでいること

2)  登録資本金の50%に相当する支払能力を維持していること

 

最初のライセンスはその発効日から5年間有効である。現行法令に従い保険会社が適正に運営されている場合には、さらに3年間の延長を申請することができる。ライセンス料は5,000万リエルである(「一般・生命保険会社のライセンス供与に関する経済財務省令No.98」:Prakas # 098.MEF on Granting License to General or Life Insurance Companies)。

 

保険代理店と保険ブローカー

保険代理店とは、保険会社から保険口銭を受け取り、明確に規定された権限の下で保険会社に代わり保険業務を扱う個人または法人を指す。保険ブローカーとは、被保険者の利益のために保険業務を扱う個人で、被保険者と保険会社の間で保険契約の締結に関する仲介サービスを提供し、仲介手数料を適法に受け取る者を指す(同法第50条)。

 

保険会社の現状

保険会社の協会としてカンボジア一般保険協会(General Insurance Association of Cambodia)が2005年7月に設立されており、現在5社が会員として協会のホームページに掲載されている。協会員である保険会社と再保険会社は次の通りである。

1)  カンボジア再保険会社(Cambodian Reinsurance Company:Cambodia Re)

2002年1月24日に「政令70号(Sub-Decree No. 07AN.KR.MK)」により設立。2004年1月16日にAsian Insurance International (AII)と合弁契約を締結。AIIが20%の株式を保有。.

2)  カンボジア保険会社(Cambodia Insurance Company:CAMINCO)

1990年に「Cambodian National Insurance Company」として設立され、1993年6月から業務を開始。2001年12月31日付け「政令132号」により国営企業となる。

3)     フォルテ保険会社(Forte Insurance Company (Cambodia) Plc)

カンボジアにおける最初の保険会社の一つとして、1996年にプノンペンで開業。

4)  アジア保険会社(Asia Insurance Company (Cambodia) Ltd.)

香港に拠点を置くアジア保険グループ(Asia Insurance Group)のグループ企業として1996年3月14日にプノンペンに設立・登録される。

5)  インフィニティ総合保険(Infinity General Insurance Plc.)

2007年7月25日設立。

6)  カンプ銀行ロンパック保険(CampuBank Lonpac Insurance)

カンボジア大衆銀行(Cambodian Public Bank)、マレーシア大衆銀行(Public Bank Malaysia)、ロンパック保険の合弁会社として2007年に設立。

7)  カンボジア・ベトナム保険会社(Cambodia-Vietnam Insurance Company Plc.:CVI)

IDCC、カシメックス(Kasimex)、NHホールティングスの合弁会社として設立。

2009年時点の保険料収入では、フォルテがマーケットシェアのほぼ半分を占めており、カンプ銀行ロンパック保険とカンボジア保険会社がこれに続いている。

5. 反資金洗浄・金融テロ撲滅法(Law on Anti-Money Laundering and Combating the Financing Terrorism)

「反資金洗浄・金融テロ撲滅法」が2007年6月24日に公布されている。この法律では、銀行や専門職業における守秘義務により同法の適用が阻害されないように求めており、疑惑のある取引・現金取引・その他資金洗浄や金融テロに関する情報を入手・分析・伝達する中央組織である「金融情報ユニット(Financial Intelligence Unit:FlU)」や監視機関に対する情報提供を拒否しないよう定めている(第6条)。

同法では、銀行、ノンバンク金融機関、証券会社、保険会社、マイクロ・ファイナンス会社、信用組合、リース会社、投資・年金基金、投資資金を運用する投資会社等の報告義務者が、匿名や偽名であることが明らかな口座を開設することや、適切な調査(Due diligence)を行う前に金融商品を発行したり、受け入れたりすることを禁止している(第7条)。

報告義務者は、顧客の身元証その証明を含む適切な調査手段を取らなければならず(第8条)、特定の取引については特別の監視手段を講じなければならない(第10条)。

報告義務者は監視機関により定められた金額を超える現金の移動や、限度額を超える数段階にわたる現金取引について、金融情報ユニットに報告する義務がある(第12.1条)。金融情報ユニットが、その取引が資金洗浄や金融テロに関連することを疑う合理的な理由を有する場合には、金融情報ユニットが求める期間(48時間以内)当該取引を行わないように書面や電話で指示することがある(第12.5条)。

刑法に定められているように、資金洗浄や金融テロが発覚した場合、裁判所の判決が下りるまでの間、関係する資産が凍結又は拘束されることがある(第30条)。

6.  通貨

1992年の政令により外国通貨による取引行為は禁止されているが、米ドルが広範かつ一般的に使用されている。リエルの対米ドル交換レートは、1998年の切り下げ以降、約4,000リエルで安定している。

 

従来、商業用途では小切手及びクレジット・カードはほとんど使用されていなかったが、近時クレジット・カードが徐々に普及し出している。

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